薄毛や抜け毛に悩みを抱える方にとって、AGA治療薬を使った治療は効果的な治療方法となります。その中でも注目されるのが「ザガーロ」です。
ザガーロは、AGA治療に重要な高い発毛効果と、症状の進行を抑制する効果を併せ持ちます。しかし、その効果について正しく理解し、適切な服用法を守らなければ、副作用を発症するリスクのある薬です。
本記事では、そんなザガーロの効果や副作用はもちろん、適切な服用法についても紹介するので、ザガーロを使ったAGA治療を検討している方は、ぜひ本記事の内容を参考にしてください。
この記事でわかること!
ザガーロ(デュタステリド)とは?
プロペシアやミノキシジルなど、AGA治療薬にはさまざまな種類があり、ザガーロもその1つです。
それぞれのAGA治療薬には異なる特性がありますが、ザガーロにはどのような特性があるのでしょうか。ザガーロの特性や効果、プロペシアとの違いまで確認していきましょう。
ザガーロの主成分「デュタステリド」
ザガーロの主成分は「デュタステリド」です。
デュタステリドは、前立腺肥大治療薬として開発されましたが、薄毛の原因となる男性ホルモンを抑圧するフィナステリドと同等の効果が現れたため、AGA治療薬として承認を受けました。
また、デュタステリドは、男性ホルモンを抑圧するだけでなく発毛や育毛を促進する効果も期待できるため、万能なAGA治療薬として支持を得ています。
ザガーロとプロペシアの違い
ザガーロとプロペシアは同じAGA治療薬ですが、含有される成分が異なります。ザガーロにはデュタステリドが含有されているのに対して、プロペシアにはフィナステリドが含有されています。
デュタステリドとフィナステリドには、男性ホルモンを抑制する効果がありますが、デュタステリドの方が範囲が広いのが特徴です。そのため、デュタステリドを含有しているザガーロの方がプロペシアよりも高い効果を期待できます。
しかし、効果の高い分ザガーロの方が副作用を発症しやすいため、服用には注意しなければいけません。
ザガーロが効果的なのはAGAのみ
ザガーロは、AGAを発症する原因となる男性ホルモンに効果的なため、AGA以外の脱毛症には効果を発揮しません。AGA以外の脱毛症には、皮脂の分泌による皮膚炎が原因で脱毛が起こる「脂漏性脱毛症」や、髪の一部が円形や楕円形に抜ける「円形脱毛症」などがあります。
これらの脱毛症を発症している場合は、ステロイドや抗真菌薬などを使った治療が必要となるため、また異なったアプローチが必要です。医師と相談のうえ治療を進めるようにしましょう。
ザガーロの主な効果
ザガーロには、主に以下二つの効果が期待できます。
それぞれの効果の特徴について、確認していきましょう。
発毛効果
ザガーロの服用によって、健康的な髪の発毛効果が期待できます。特にAGAによって薄くなりがちな、前頭部から頭頂部までに発毛効果があるため、全体的なボリュームの無さに悩んでいる方におすすめです。
また、発毛効果の実感が期待できるまでは、約6ヶ月間の服用が必要です。そのため、髪の毛を増やしたい方は、根気強く治療を進める必要があるでしょう。
薄毛の進行を抑制
薄毛は、体内にある2種類の酵素によって脱毛因子が生成されることで発症します。
脱毛因子が生成されてしまうと、ヘアサイクルの乱れを引き起こします。ヘアサイクルが乱れると、髪の毛が成長しきる前に抜けてしまうため、太くてコシのある毛の本数が少なくなってしまうでしょう。
ザガーロは、その脱毛因子を生成する酵素の働きを妨害することによって、薄毛の進行抑制につながります。そのため、ザガーロは薄毛の予防としても適した治療薬といえます。
ザガーロの副作用について紹介
ザガーロは、AGAに対して効果を発揮してくれますが、その分副作用のリスクがあります。
それぞれの副作用の特徴について、事前に確認しておきましょう。
肝機能障害
ザガーロの服用によって、肝機能障害を引き起こす可能性があります。肝機能障害とは、肝臓が炎症を起こした状態を指すため、肝炎とも呼ばれる病態です。
症状が進行すると、全身の倦怠感や食欲低下、吐き気などの症状が現れます。肝機能障害は、慢性化すると肝硬変や肝臓がんを発症する可能性があるため、ザガーロの服用によって何らかの異常が見られたら、早めに医師に相談しましょう。
うつ症状
ザガーロの副作用として、うつ症状があります。うつ症状の発症確率は1%未満と低いですが、留意しておく必要があるでしょう。
うつ症状は、ザガーロで男性ホルモンが抑圧されることが原因として引き起こされると考えられています。うつ症状を引き起こすと、日々の生活が満足に送れなくなるなど、社会的に不都合が出る可能性があります。
そのため、ザガーロを服用し始めてからうつの症状が出始めたと感じる方は、薬の服用に関して早めに医師と相談しましょう。また、薬の服用をやめても症状が快方に向かわない場合は、自己肯定感を高めたり、趣味に没頭したりして気分を前向きに変化させるように心がけることも大切です。
性機能障害
ザガーロは、勃起不全など性機能にまつわるさまざまな異常を引き起こす可能性があります。
性機能障害を引き起こすと、男性不妊の原因となるため、妊活をされている方にとっては大きな弊害となるでしょう。仮に発症してしまった場合は、ED治療薬などを用いて治療を行なっていきます。
腹痛、下痢
軽めの副作用として、腹痛や下痢を起こす場合があります。しかし、腹痛や下痢といった症状は、個人の体質や服用時の体調によって影響を受けるため、必ずしもザガーロが原因だとは断言できません。
しかし、腹痛や下痢が高頻度に起こる場合や長期的に続く場合は、一度医師に相談するのがよいでしょう。
【治療の副作用・リスク】個人差や体質により、下記事項が発生する可能性もありますのでご注意ください。
主な副作用 | フィナステリド(プロペシア錠) | デュタステリド(ザガーロ) | ミノキシジル(内服薬) | ミノキシジル(外用薬) | メソセラピー | 植毛 |
リビドー減退 | 〇 | 〇 | ||||
勃起不全(ED)・射精障害・精液量減少 | 〇 | 〇 | ||||
血管浮腫 | 〇 | 〇 | ||||
立ちくらみ・めまい | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ||
血圧低下 | 〇 | 〇 | ||||
抑うつ | 〇 | 〇 | ||||
肝機能障害 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ||
アレルギー反応(発疹・痒み) | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |
多毛症 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ||
動悸 | 〇 | 〇 | 〇 | |||
むくみ | 〇 | |||||
初期脱毛 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |
頭皮のかゆみ、かぶれ、赤み、炎症など | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ||
吐き気、食欲不振、腹痛、下痢 | 〇 | 〇 | 〇 | |||
傷跡・ショックロス | 〇 | |||||
味覚異常 | 〇 | 〇 | ||||
頭痛・フケ | 〇 |
ザガーロの正しい服用法
ザガーロは、1日1カプセルを守って服用しましょう。食前や食後は関係なく、最後の服用から24時間経過していれば問題ありません。
また、ザガーロにはデュタステリドの含有量が0.1mgのものと0.5mgの2種類がありますが、どちらの場合でも1日1カプセルを厳守してください。
効果を上げたいからといって1日に複数カプセル飲んだり、飲み忘れた翌日に前日分も追加して飲んだりするのはやめましょう。このような誤った服用方法を行ってしまうと、副作用のリスクが高まって危険です。
そのため、ザガーロを服用する際は、用法・用量を守ることが重要です。
ザガーロは薄毛治療に効果的ですが、適切な投与量と使用方法を守って使用しましょう。治療効果が出るまで時間がかかるため、継続的に使用しましょう。副作用に注意し、異常を感じたらすぐに医師に相談してください。
ザガーロを服用する時の注意点
ザガーロを服用する際は、さまざまな項目に留意する必要があります。
続いて紹介する3つの注意点を守らなければ、健康面で大きな被害を及ぼす可能性があるため、それぞれのポイントについて事前に確認しておきましょう。
ザガーロは医師の処方が必要
ザガーロは医師の処方が必要不可欠なため、一般的な薬局やドラッグストアでは購入できません。そのため、海外から個人的に輸入をして入手するのは適切ではありません。
また、ザガーロは保険が適用されないため、薬代は全額自己負担になる点に注意が必要です。専門医の指導の下、正規のルートで購入しましょう。
ザガーロの服用中は献血できない
ザガーロの服用中に献血はできません。これは、デュタステリドの安全面が確保されていない20歳未満の方や、胎児に悪影響を及ぼす危険性のある女性に輸血される危険性があるためです。
そのため、献血を行う場合は、最低でも血中から成分が放出されるために必要な6ヶ月以上の休薬期間を設けるようにしましょう。
ザガーロの個人輸入は危険
ザガーロは海外から個人的に輸入した方が安い価格で購入できますが、個人輸入にはさまざまな危険が潜んでいるためおすすめできません。
海外では偽物の医薬品が流通しているため、期待通りの効果が得られなかったり、重篤な副作用を発症したりする可能性があります。また、副作用が起きた際の治療費も全額負担しなければいけないため、個人輸入でザガーロを購入するのはかなりリスクが高いといえるでしょう。
ザガーロを服用してはいけない人
ザガーロは、健康面などの理由から以下の特徴に当てはまる方は服用できません。
- 未成年
- 女性
- 肝機能障害のある人
- 成分にアレルギーのある人
なぜ、これらの特徴に当てはまる方は、ザガーロの服用ができないのかについて確認していきましょう。
未成年
ザガーロは、20歳に満たない方の臨床実験を行なっていないため、安全面や効果の面から20歳未満の方への処方が禁止されています。2022年の民法改正により成年年齢が18歳に引き下げられましたが、基本的に民法改正前と変わらず20歳未満の方にザガーロは処方されないので、注意が必要です。
そのため、20歳未満の方は医師と相談のうえ、ザガーロ以外のAGA治療薬を活用するようにしましょう。
女性
ザガーロは、男性特有の脱毛症であるAGAにしか効果を発揮しません。また、妊娠中の女性が服用すると、胎児の生殖器形成に影響があるとされているため、妊婦や授乳婦の方は必ず服用しないようにしましょう。
また、ザガーロは服用だけでなく薬に触れるだけでも成分を吸収してしまうため、薬にも触れないように注意する必要があります。万が一触れてしまった場合は、石鹸でしっかり洗って手についた成分を取り除いたあと、医師に相談することが大切です。
肝機能障害のある人
ザガーロの主成分であるデュタステリドは、主に肝臓で代謝するため、肝機能障害のある方はデュタスリドを代謝するのが難しくなります。その結果、副作用が強く現れやすくなり、大変危険です。
また、ザガーロによって肝機能の低下を招くと、白眼や皮膚が黄色くなる黄疸(おうだん)と呼ばれる病態を引き起こす可能性があります。
そのため、肝機能障害のある方は、医師と相談したうえで服用するかどうかを選択するようにしましょう。
成分にアレルギーのある人
ザガーロの主成分であるデュタステリドにアレルギーを持つ方は、ザガーロの服用はできません。ザガーロのアレルギー反応として、蕁麻疹や体が痒くなるなどの症状があります。
重症化すると、アナフィラキシーショックを引き起こす可能性があります。アナフィラキシーショックは、呼吸困難や気道狭窄、喘鳴などの症状が起き、最悪の場合は死に至るケースもある怖い病態です。
そのため、アナフィラキシーショックのような重篤な病態に陥らないために、少しでもアレルギー反応が出たら服用を中止することが大切です。
また、アレルギー体質の方は、処方前にパッチテストを行うなどして、アレルギーの有無を確認しておきましょう。
ザガーロの処方はクリニックで相談
ザガーロの使用には医師の処方が必要不可欠です。そのため、ザガーロを使ったAGA治療を行いたい場合は、まずはクリニックで相談するようにしましょう。
医師の診察を受けずに、通販から個人輸入される方もいますが、個人輸入は安全面が確認されていないため、利用するのは大変危険です。
仮に、個人輸入によって偽造品を服用してしまい、重篤な副作用を発症したとします。しかし、クリニックで薬を処方されていなければ、副作用などによって生じた健康被害の医療費などを負担してくれる「医薬品副作用被害救済制度」が利用できません。
そのため、高額な治療費を全額個人で負担しなければいけなくなります。
このように、余計なリスクを追わないためにも、ザガーロの購入は必ずクリニックなどの医療機関で行うようにしましょう。
自由診療治療につきましては健康保険などの公的医療保険が全く使えないため、治療費が高くなります。
また一部の自由診療については医療費控除の対象となる診療もございますがAGA治療においては容姿を美化し、容ぼうを変えるなどの目的要素が強いため医療費控除の対象外になります。
まとめ
今回は、AGAの進行を抑制する効果と発毛効果を併せ持ったAGA治療薬「ザガーロ」について紹介しました。
ザガーロは高い治療効果が期待できる代わりに、副作用のリスクも高い治療薬です。そのため、服用に際しては、用法・用量をしっかり守ることが大切です。また、副作用のリスクなど安全面の観点から、ザガーロを個人輸入で購入するのはやめましょう。安全にザガーロを利用するためには、必ずクリニックで処方してもらう必要があります。
クリニックでザガーロによる治療を進めることによって、多くの方が薄毛の悩みを改善できます。そのため、現在薄毛で悩んでいる方は、クリニックで専門の医師に治療の相談から始めてはいかがでしょうか。
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