「毎日、髪の毛を洗っているのに、気が付くと肩に白いフケが付いている」「頭のかゆみが我慢できなくて、勉強や仕事に集中できない」頭皮に関して、このようなお悩みを抱えている方も少なくないのではないでしょうか。
フケやかゆみが出るのは、頭皮の乾燥が原因かもしれません。間違った頭皮のケアを行うと、かえって乾燥が悪化し、頭髪の成長を抑制してしまう場合があるため注意が必要です。
本記事では、頭皮が乾燥する原因、乾燥による主な症状や、乾燥を防ぐ方法について解説します。頭皮が乾燥し、フケやかゆみなどの症状で悩まれている方は、ぜひ参考にしてください。 青山メディカルクリニック ■診療科:形成外科、美容外科、美容皮膚科 ■経歴 ■資格・所属学会
院長 松澤 宗範
URL:https://amclinic.tokyo/
2014年 近畿大学医学部 卒業
2014年 慶應義塾大学病院初期研修
2016年 慶應義塾大学病院形成外科入局
2016年 佐野厚生総合病院形成外科
2017年 横浜市立市民病院形成外科
2018年 埼玉医科総合医療センター形成外科・美容外科
2019年 銀座美容外科クリニック 新宿院院長
2020年 青山メディカルクリニック院長
・国際抗老化再生医療学会
・日本抗加齢医学会
・日本形成外科学会
・日本性機能学会
・日本アンチエイジング外科学会
・日本細胞外小胞学会
・日本がん免疫学会
・日本免疫治療学会
・日本NKT細胞標的治療研究会
・点滴療法研究会
・遅延型フードアレルギーと過敏症研究会
・日本コロイドヨード研究会
・日本医学脱毛学会
この記事でわかること!
頭皮が乾燥する7つの原因
頭皮の乾燥といっても、その原因は様々です。原因を特定せずに対策しても、無駄になる場合があります。
ここでは、次の7つの視点でまとめています。ご自身のライフスタイルを振り返りながら、当てはまるものがないかチェックしてください。
1日に何度もシャンプーしている
フケや痒みが気になるからと、1日に何度もシャンプーをする方がいますが、逆効果です。複数回のシャンプーによって、必要以上に皮脂や角質が取り除かれた結果、乾燥状態を招きます。
また、皮脂を取り除きすぎると、肌を保護しようと皮脂の分泌が過剰となります。一見、表面は潤っているように見えるのですが、それは水分ではなく皮脂による潤いで、内側は乾燥している「インナードライ」状態です。
洗浄力の強いシャンプーを使っている
シャンプーの洗浄力は、使用している界面活性剤が影響します。分類は大きく分けると「石鹸系」「アミノ酸系」「高級アルコール系」です。洗浄成分が多く配合されていると、整髪料や汚れを滑らかに落とせますが、汚れだけでなく肌に必要な潤い成分まで奪ってしまう可能性があります。
さらに、洗浄力の強い「高級アルコール系」シャンプーを使っていると、乾燥するだけでなく炎症につながり、一時的な脱毛を招く場合があるので注意が必要です。
髪をしっかり乾かしていない
髪を洗った後に、しっかりと乾かしていないと、生乾きの洗濯物同様に雑菌の繁殖を招く場合があります。雑菌の繁殖で気になるのが、頭皮の痒みや炎症などのトラブルです。
髪や頭皮の水分が自然乾燥で蒸発する際に、熱が奪われ血行の滞りを招く可能性があります。血行の滞りも、頭皮トラブルの原因の一つです。
高温でドライヤーを使用している
ドライヤーの熱風を当てると、一気に乾燥し頭皮が弱る場合があります。髪を早く乾かしたいからと、温度を高くして、頭皮に近づけて使用している方がいますがこれは大間違いです。
ドライヤーの熱により髪は乾きますが、同時に頭皮の水分を奪い乾燥を招きます。また、そのまま入眠すると、乾燥状態の頭皮が寝具にあたり、摩擦によってダメージを受けてしまいます。過度なドライヤーの使用には、要注意です。
加齢の影響
頭皮に対する加齢の影響は、2つ考えられます。1つ目は加齢に伴う免疫力の低下です。髪の毛があるために通気性が良くない頭皮は、雑菌が繁殖しやすい環境です。
免疫力が高いうちは、大きなトラブルにはなりづらいです。加齢により免疫力が落ちると、雑菌が繁殖しトラブルに繋がる場合があります。
2つ目は、新陳代謝の低下です。そのため頭皮を保湿する皮質が不足して起こる水分の保持力の低下が、乾燥の原因の一つです。
生活習慣の乱れ
生活習慣の乱れが、頭皮のトラブルに繋がる場合があります。栄養バランス・睡眠・運動不足・飲酒などにより、生活習慣が乱れると、成長ホルモンの分泌に影響したり、血流が悪くなったりします。
頭皮を良好な状態に保つには、栄養・血流などの状態が重要です。また、ストレスは頭皮環境に悪影響であるため、気分転換などを行いメンタルの乱れへの対応も重要です。
紫外線の影響
紫外線が頭皮に与える影響は2種類あります。1つ目は、日焼けの原因となる紫外線「UV-B」による影響です。日焼けの原因となる紫外線で、肌の表面の乾燥を招き、炎症やかゆみに繋がる場合があります。
2つ目は、肌の奥まで届く紫外線「UV-A」による影響です。肌のハリや弾力の成分をつくる細胞を傷つけます。潤いを保ちにくくなるため、頭皮の乾燥を招きます。
頭皮の乾燥によって起こる3つの症状
次に、頭皮が乾燥すると起こる症状について、下記の3点についてまとめます。気になる症状がある場合は、メカニズムを把握し、対策方法を検討する際の参考にしてください。
フケが出る
頭皮が健康な状態であっても、フケはある程度出ます。 ターンオーバーにより古い角質が自然と剥がれ落ちたもので、量は少なめです。頭を洗う際に大半が流れていくので、日常では気が付きにくいです。
一方で頭皮が乾燥すると、古い角質だけでなく頭皮に残しておきたい角質まで剥がれてしまいます。乾燥によって刺激を受けやすくなった頭皮がダメージを負い、そのダメージが原因で剥がれてしまいます。これがフケの量が増加するメカニズムです。
痒みを感じやすくなる
頭皮の乾燥は痒みの原因の一つです。乾燥して頭皮の水分バランスが崩れると、頭皮を守る「バリア機能」が落ちてしまいます。その結果外部からの刺激がバリアに守られず、頭皮の神経細胞に直接届きます。この刺激が痒みの原因です。
また一度痒みを感じ掻いてしまうとますますバリア機能を低下させ、さらに痒みを誘発する悪循環に繋がります。場合によっては、炎症を起こして赤くなってしまいます。
抜け毛が増える(薄毛になる)
頭皮の乾燥を放置した場合、抜け毛が増え、薄毛になってしまう危険性があり要注意です。その理由は2つです。
1つ目は、頭皮が乾燥し、頭皮環境が乱れてしまう点です。乾燥し、頭皮の表面の皮脂バランスが崩れると、外部からの刺激や雑菌から頭皮を守れません。結果的に、頭皮の状態が悪化し、抜け毛に繋がります。
2つ目は、髪の毛の健康状態の悪化です。乾燥により血行不良が発生し、髪の毛に栄養や酸素を運ぶ力が弱まります。結果、髪の毛の健康状態が悪化し、抜けやすくなってしまいます。

頭皮の乾燥を防ぐために定期的な頭皮ケアを行いましょう。ただし、頭皮トラブルが続く場合や症状がひどい場合は、自己判断せずに皮膚科医や専門家のアドバイスを受けることをおすすめします。
頭皮の乾燥を対策する方法
頭皮の乾燥について、下記の4つの視点でまとめています。ご自身の頭皮の状態と照らし合わせて、適切な予防を行いましょう。
保湿成分のあるシャンプーの使用
頭皮の乾燥を防ぐシャンプーを選ぶ時は、成分表に目を向けてみてください。洗うことが目的のシャンプーですが、商品によっては豊富な保湿成分が配合されているものがあります。
グリセリン、ヒアルロン酸、セラミド、スクワランなどが代表的な保湿成分となります。 その他に、アルガンオイル、椿オイル、ホホバオイルなど天然由来の成分があるとなお良いでしょう。保湿成分の他、炎症を和らげる成分や、菌の増殖を抑える成分が配合されているシャンプーも頭皮の乾燥には有効です。
栄養バランスのとれた食事
栄養バランスの乱れが、頭皮の乾燥を招くため、日々の食事が重要です。特に、頭皮のターンオーバーや、血行促進に繋がる栄養成分を意識しましょう。
ターンオーバーに働きかける栄養素は、ビタミンA、α-カロテン・β-カロテン、β-クリプトキサンチンといわれています。また、血行促進に働きかける栄養素は、ビタミンB2・B6、ビタミンE、ビタミンCといわれています。
これらの栄養素を含んだ食材を、積極的に摂取するようにしましょう。
頭皮マッサージと保湿を行う
シャンプー後の清潔な頭皮に潤い成分を含んだローションを使い、マッサージを行います。指で頭のツボを刺激し、血行促進を促します。指でのマッサージが難しい場合は、ブラシを使うのもいい方法です。
血行促進により、頭皮の新陳代謝の活性化が期待できます。
また、潤い成分を含んだローションを使うと、頭皮の保湿につながります。髪を洗った後は、乾燥しやすいので保湿を心がけましょう。
ストレスをなるべく減らす
ストレスを減らす方法としてお勧めは睡眠です。十分な睡眠は、ストレスを和らげるだけでなく、頭皮のターンオーバーを整える効果が期待できます。睡眠不足を感じている方は、良質な睡眠を取り入れましょう。
また、自然のなかでリラックスしたり、瞑想などで深い呼吸をしたりしてもストレス低減が期待できます。日常のストレスを感じる場面を減らし、ストレスを払拭する時間を確保しましょう。
頭皮の乾燥を防ぐおすすめ商品
頭皮に関わるアイテムはさまざまです。頭皮の乾燥が気になる場合、アイテムを選ぶ際のポイントがあります。ここでは下記のアイテムに関して、頭皮の乾燥ケア用品を選ぶポイントを解説します。アイテム選びの際の参考にしてください。
保湿成分が豊富【NILE スカルプシャンプー】
NILEスカルプシャンプーは、頭皮環境を整えるためのシャンプーで、天然由来の成分を使用し、頭皮の余分な皮脂や汚れをしっかり洗い流しながら、髪の毛に必要な栄養を与えて髪の毛の成長をサポートします。
天然植物成分やオーガニック成分を配合し、敏感な頭皮にも優しく使えます。頭皮の皮脂バランスを整え、フケやかゆみを予防します。
髪と頭皮に負担をかけずに毛穴の汚れをすっきりと洗浄し、しっかりとケアします。乾燥で敏感になっている頭皮におすすめです。
商品名 | スカルプシャンプー |
内容量 | 300ml |
定価(税込) | 2,680円 |
Amazon |
頭皮環境を整える【チャップアップ(CHAPUP) 育毛ローション】
チャップアップ(CHAPUP)育毛ローションは、髪の成長を促進するために開発された育毛ローションです。
天然成分を使用しており、血行促進効果のある成分が、頭皮の血行を良くし、毛根に必要な栄養が届きやすい状態を作ります。
頭皮環境を整えて、健康的な髪を育むサポートし、髪の成長が促進されることが期待できます。
使用することで、髪のボリュームや密度の改善が期待でき、肌トラブルにお悩みの方も使用できます。
商品名 | チャップアップ(CHAPUP) 育毛ローション |
内容量 | 120ml |
定価(税込) | 8,690円 |
定期購入(税込) | 7,400円 |
公式サイトはこちら |
出典:株式会社ソーシャルテック
美容成分が配合されているブラシ【VESS(ベス) ハニースリムブラシ】
ハニースリムブラシ H-550は、髪と頭皮の健康をサポートするための保湿成分はちみつとロイヤルゼリーがブラシに配合されています。スリムで持ちやすいデザインは手になじみやすく、髪を傷めずにスムーズにブラッシングできるため、毎日のケアで潤いのある髪へ導きます。
コンパクトな形状でありながら、しっかりと髪全体を整えたい方にぴったりです。毎日のケアをサポートし、健やかな髪を目指す方におすすめです。
商品名 | VESS(ベス) ハニースリムブラシ H-550 |
材質 | AS樹脂・ポリプロピレン |
定価(税込) | 605円 |
Amazon |
出典:ベス工業株式会社
植物性や無添加処方のオイル【THREE スキャルプ&ヘア リファイニング トリートメント オイル R】
THREEの「スキャルプ&ヘア リファイニング トリートメント オイル R」は、健やかな頭皮と力強い髪を目指すためのトリートメントオイルです。植物由来のエッセンシャルオイルを配合し、乾燥した頭皮に潤いを与え、髪の根元からケアします。軽やかなテクスチャーが特徴で、べたつかずに浸透し、髪をふんわりと仕上げます。マッサージしながら使用することで、リラックス効果も期待でき、日々のケアに取り入れやすいアイテムです。
商品名 | THREE スキャルプ&ヘア リファイニング トリートメント オイル R |
内容量 | 20ml |
定価(税込) | 3,300円 |
Amazon |
出典:株式会社ACRO
頭皮の乾燥を防ぐシャンプーのやり方とは?
頭皮の乾燥を防ぐシャンプーのやり方にはポイントがあります。難しい事ではなく今日からでもすぐ始められるので是非試してみてください。
シャンプーを直接頭皮につけない
1つ目は、「シャンプーを直接頭皮につけない」です。シャンプーを直接頭皮に付けると、量が多すぎて刺激になったり、ムラに洗ってしまったり、洗浄が均等に行われない可能性があります。
目安として、髪の長さやボリュームに合わせて、1~2プッシュ程度が適量です。シャンプーは手のひらに適量取って、少量の水を加えて泡立てます。
泡立てたシャンプーを指の腹で優しくマッサージするように頭皮を洗います。力を入れすぎず、軽い力でマッサージを行うようにしましょう。
爪を立てないように注意しましょう。爪を立てると頭皮を傷つけて、強い刺激により頭皮のトラブルに繋がりかねないので、炎症や乾燥が悪化する原因になります。
爪を使わず、指の腹でやさしく洗うことで、頭皮への刺激を最小限に抑えることができます。
38度のぬるま湯でしっかりすすぐ
2つ目は、「38度のぬるま湯でしっかりすすぐ」です。シャンプーを使用した後は、泡が残らないようにしっかりすすぐことが大切です。
温度が高いと刺激が強くなってしまうため、すすぎの際に38度のぬるま湯がおすすめです。熱すぎるお湯は頭皮を乾燥させる原因になるため、温度が高すぎないように気をつけましょう。
またすすぎには時間を要するので、ぬるま湯にして刺激を控えるよう注意しましょう。
頭皮やシャンプーをしっかりすすぐには3分ほどの時間が必要です。泡が残ると、乾燥を引き起こしたり、かゆみやフケの原因になったりすることがあります。シャンプー後のすすぎは、頭皮の乾燥を防ぐために非常に重要です。
シャンプーの泡や汚れをしっかり洗い流すために、時間をかけて丁寧にすすぎ、残留のシャンプーをしっかり落としましょう。
まとめ
ここまで、頭皮の乾燥の原因や症状についてまとめ、乾燥を防ぐ方法やアイテムを選ぶ際のポイントなど解説しました。
頭皮の乾燥の原因はさまざまで、これまではよかれと思って行っていた方法が、実は悪影響だったかもしれないと気づいた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
本記事を参考にご自身の状況と照らし合わせ、使用しているアイテムや生活リズムなどを見直し、頭皮の乾燥の低減につなげてください。

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