デュタステリドとは、AGA(男性型脱毛症)に効果がある治療薬です。他にも似たような治療薬があるため、本当にデュタステリドで良いのかと悩まれている方もいるでしょう。
本記事では、デュタステリドについて解説しています。同じくAGA治療薬のフィナステリドやミノキシジルとの違いについてもわかりやすく説明しています。現在、AGA治療薬に悩まれている方や効果について不安がある方におすすめの内容です。
ぜひ最後までお読みください。
この記事でわかること!
デュタステリドとは?効果について解説
薄毛の進行を遅らせる
AGA(男性型脱毛症)はDHT(ジヒドロテストステロン)が脱毛を促進するため起こります。つまり、DHTが増えなければ抜け毛が防げるのです。
DHTはテストステロンと5αリダクターゼが結びつき生成されます。5αリダクターゼは頭頂部、前頭部、後頭部に多く存在している酵素です。生え際からM字に薄くなる方や、後頭部からO字に薄くなる方が多いのはそのためです。
デュタステリドは、5αリダクターゼを阻害する役割を持ちます。治療を続ければDHTの増加が抑制され、薄毛の進行を止められるでしょう。
髪を太く成長させる
デュタステリドは「薄毛の進行を抑制する」治療薬ですが、デュタステリド配合のザガーロの臨床結果から、薄毛を抑制する以外にも育毛や発毛にも効果が見られるとわかっています。
24週間デュタステリド0.5gを服用した場合、2.54cm内の本数が平均89.6本増加したとの結果が出ているのです。また、同様に、毛髪が太くなったとの報告もあります。
参考:グラクソ・スミスクライン株式会社 医薬品インタビューフォーム
デュタステリドの副作用
AGA(男性型脱毛症)の治療にデュタステリドは効果的です。しかし、副作用が起こる可能性があるため、しっかりと知っておく必要があります。
肝機能障害
デュタステリドの服用で起こる重大な副作用が肝機能障害です。しかし、副作用が起こるのは稀とされています。デュタステリドは肝臓で代謝される際に肝臓に負担がかかるため、肝機能障害が起こります。
肝機能障害がおこると「AST(GOT)、ALT(GPT)、ビリルビン」などの数値が上がります。血液検査でわかるため、デュタステリドを服用している方は定期的に血液検査を行うのがおすすめです。
性機能の障害
デュタステリドの副作用として、性機能障害が特に多く報告されています。勃起不全(ED)、リビドー減退(性欲減退)、精液量の減少、射精障害などが挙げられます。
原因はデュタステリドが「5αリダクターゼ」を阻害することにあります。5αリダクターゼは頭部だけでなく、前立腺などに多く存在する酵素のため、勃起障害など男性機能にも影響がでるのです。子どもを作る予定のある方は服用を中止するなど、医師に一度相談してみましょう。
初期脱毛
初期脱毛とは、 AGA(男性型脱毛症)により細く柔らかくなった髪の毛が抜け落ちる現象で一時的なものです。約1〜3ヶ月で治まってきます。
抜け落ちる間は不安な気持ちになりますが、自己判断で服用を中止せずに飲み続ける必要があります。ヘアサイクルが正常化し、太く健康な髪の毛が生えてくるまでの準備期間と考えると良いでしょう。
デュタステリド服用時の注意点
デュタステリドを服用する際は、以下の注意点を守り服用するようにしましょう。
肝機能障害がある人は要相談
デュタステリドは肝臓で代謝されます。しかし、重度の肝機能障害があると、肝臓での代謝ができずに、副作用が強く出るなどの影響がでます。
これは、デュタステリドだけではなく、その他の治療薬に対しても同様です。肝機能障害がある方は、薬を服用する際は特に気を付け必ず事前に医療機関で相談しましょう。
PSA(前立腺特異抗原)検査の前に申告が必要
PSA(前立腺特異抗原)とは、前立腺がんの腫瘍マーカーです。腫瘍マーカーの数値の高さで、がんのリスクがあるかどうかなどの判断を行えます新しい髪の毛が生えるまでに時間がかかるため、デュタステリドの効果を体感するのに、約6ヶ月〜1年ほどかかるのです。
デュタステリドは脱毛を防ぐとともに、前立腺への効果があるため、PSA検査の結果にも影響が出ます。デュタステリドによって数値に影響があると「前立腺がん」の見落としに繋がり命にも関わります。
PSA検査を受ける際は、必ず事前に「デュタステリド服用中」であることを申告しましょう。
デュタステリドを服用してはいけない人
デュタステリドを飲んではいけない人を紹介していきます。
女性・小児は服用NG
AGA(男性型脱毛症)への効果が期待できる治療薬「デュタステリド」は、女性・小児への服用は禁止されています。女性の脱毛への効果や、小児の服用に対しての安全性は証明されておらず、男性ホルモンに影響を与えるため、未成年者の利用も禁じられています。
また、妊娠中の女性は特に注意が必要です。胎児の生殖器の発育や形成に関わり、胎児の性機能への影響が懸念されます。デュタステリドに触れると、皮膚からも吸収されます。保管の際は、誤って服用したり、触れたりしないよう保管場所にも気を付けましょう。
服用中は献血NG
デュタステリドの服用中は献血はできません。理由は「女性・小児・未成年者」へ輸血する可能性があるためです。注意点の1番目で説明した通り「女性・小児・未成年者」はデュタステリドの服用だけでなく触れることさえできません。
服用を中止した後もしばらくの間、デュタステリドは体内に残ります。献血をする場合は、約12〜20週間ほど経過し、血中濃度が下がってからにしましょう。
デュタステリドと他のAGA治療薬との違い
AGA治療に使われる有用成分はデュタステリド以外にも、フィナステリドやミノキシジルなどがあります。
AGAに効果があるとわかっていても、どの有用成分が自分に合うか迷われる方も多いでしょう。デュタステリドをメインに、フィナステリドとミノキシジルとの違いやその他のAGA治療薬をわかりやすく比較します。
治療薬の有用成分が持つ役割を理解して、治療薬選びの参考にしてみてください。
デュタステリドとフィナステリドの違い
デュタステリドとフィナステリドはどちらも、酵素「5αリダクターゼ」を阻害します。
「5αリダクターゼ」は男性ホルモン「テストステロン」と結びつきDHT(ジヒドロテストステロン)に変換されます。DHTは脱毛を促進する成分です。つまり、5αリダクターゼを阻害することがDHTの生成を抑制しAGAの進行を遅らせる効果があります。
デュタステリドとフィナステリドは基本的に同じ効果があるため、併用してもあまり意味がありません。まずは、価格の安いフィナステリドで様子を見るなど、自分に合った薬を服用して検討してみましょう。
【デュタステリドとフィナステリドの特徴】
有用成分 |
デュタステリド |
フィナステリド |
先発医薬品 |
ザガーロ |
プロペシア |
後発医薬品 (ジェネリック) |
デュタステリドZA |
フィナステリド錠 |
作用 |
5αリダクターゼI型とII型を阻害 |
5αリダクターゼII型を阻害 |
効果の範囲 |
前頭部 頭頂部 後頭部 |
前頭部 頭頂部 |
効果が実感ができるまで |
6ヶ月〜1年 |
3ヶ月~6ヶ月 |
価格 |
高価格 |
低価格 |
副作用 |
肝機能障害 勃起不全 リビドー減退 精液量減少など |
肝機能障害 勃起不全 リビドー減退 精液量減少など |
デュタステリドとミノキシジルの違い
デュタステリドとミノキシジルでは、成分が持つ効果が異なります。デュタステリドは薄毛の予防や脱毛の阻止、ミノキシジルは発毛を促進させる有用成分です。
ミノキシジルは血管を拡張させたり、細胞分裂を活性化させたりする働きがあります。拡張された血管は血行促進に繋がり、頭皮にまで栄養が届きやすくなります。細胞分裂も盛んになり、発毛を促す毛母細胞が活性化されるのも特徴です。その結果、ヘアサイクルを伸ばし発毛や育毛を促進させます。
デュタステリドとミノキシジルは、違う角度からAGA(男性型脱毛症)を治療するため、併用すると効果が上がると期待されています。
【デュタステリドとミノキシジルの特徴】
有用成分 |
デュタステリド |
ミノキシジル |
先発医薬品 |
ザガーロ |
外用薬:リアップ 内服薬:ミノキシジルタブレット |
後発医薬品 (ジェネリック) |
デュタステリドZA |
外用薬:複数あり 内服薬:ジェネリックはない |
作用 |
5αリダクターゼI型とII型を阻害 |
血管拡張作用 細胞分裂を活性化 |
対象 |
成人男性のみ AGAにのみ効果あり |
男性も女性も使用可能 |
効果が実感ができるまで |
6ヶ月〜1年 |
6ヶ月〜 |
価格 |
高価格 |
低価格 |
副作用 |
肝機能障害 勃起不全 リビドー減退 精液量減少など |
肝機能障害 動悸・息切れ むくみ・体重の増加 頭痛・めまい 体毛(全身)の増加など |
ミノキシジルの外用薬(リアップなど)は認可を受けています。しかし内服薬は未承認なため、服用の際は医師としっかり相談のうえ治療を進めましょう。
デュタステリドとその他のAGA治療薬の比較
デュタステリドを含めてAGA(男性型脱毛症)の治療薬は大きく分けて4種類あります。
以下に表でまとめましたのでぜひ参考にしてみてください。
製品名 |
ザガーロ |
プロペシア |
ミノキシジル |
リアップ |
主要有用成分 |
デュタステリド |
フィナステリド |
ミノキシジル |
ミノキシジル |
成分の役割 |
5αリダクターゼI型 |
5αリダクターゼII型 |
血管拡張作用 |
細胞分裂を活性化 |
治療薬の効果 |
薄毛の進行を防ぐ |
薄毛の進行を防ぐ |
栄養成分を頭皮に |
部分的な発毛効果 |
厚生労働省認可 |
有 |
有 |
無 |
有 |
その他 |
男性のみ服用可 |
男性のみ服用可 |
男女ともに服用可 |
男女ともに使用可 |
同じ種類の成分は併用できない
同じ効果を持つ AGA(男性型脱毛症)治療薬を併用しても、効果が高まるわけではありません。
例えば、デュタステリドやフィナステリドは、どちらも5αリダクターゼを阻害して薄毛の予防や抑制に繋がります。同じ働きで薄毛を阻止するため、併用してもあまり意味がありません。医師と相談の上、どちらが自分に適するかを考えて服用しましょう。
デュタステリドと併用するなら「ミノキシジル」がおすすめです。ミノキシジルは血行を改善し、栄養成分を頭皮に届けやすくし発毛を促進します。
AGA治療薬を併用するなら、違う方面からアプローチして、脱毛を阻止する有用成分を選びましょう。
デュタステリドに関するよくある質問
これまで、デュタステリドはAGA治療に有用な成分であると説明しました。それでもまだ疑問が残る方のためにデュタステリドに関するよくある質問をピックアップしました。副作用や個人輸入の危険性についても解説しているので、デュタステリドを服用する前に必ずチェックしてください。
デュタステリドの効果はどのくらいで出るの?
デュタステリドの効果が体感できるのは、平均で6ヶ月〜1年経過後です。
デュタステリドは、効果がすぐに現れる治療薬ではありません。効果が出ないからといって、自己判断で中止せずしばらく服用を継続してみましょう。髪にはヘアサイクルがあり、下記の通りになります。
- 成長期(髪が伸び、太く成長する期間):約2〜6年
- 退行期(髪の成長が止まり始める時期):2週間
- 休止期(髪の成長が完全にとまる):3〜4ヶ月
新しい髪の毛が生えるまでに時間がかかるため、デュタステリドの効果を体感するのに、約6ヶ月〜1年ほどかかるのです。
デュタステリドは個人的に輸入しても大丈夫?
デュタステリドの個人輸入はリスクが高いため、やめておくのがよいでしょう。
個人輸入では、安価で治療薬を購入できます。しかし、健康被害が起きたり、効き目がなかったり、副作用が強いなどリスクが高いです。また、輸入代行業者の利用も詐欺に巻き込まれるなどのリスクが考えられます。
医療機関なら、間違いなく正規品であり、体質や持病を考えたうえでデュタステリドを処方してもらえます。リスクを小さくしつつAGA(男性型脱毛症)治療をするためにも、必ず医療機関で処方してもらいましょう。
デュタステリドの服用はクリニックに相談しよう
AGA(男性型脱毛症)の治療薬であるデュタステリドは個人輸入でも購入できますが、品質の保証がなく粗悪品の可能性や、安全性も確認できないためおすすめできません。クリニックを受診し、まずは自分の毛髪や頭皮の状態を確認してもらいましょう。
最近ではオンライン診療で診察可能なクリニックも増えており、オンライン診療であれば自宅にいながら診察や薬の受け取りを行えます。クリニックへ行く時間がなかったり、行くのに抵抗があったりする方にはおすすめです。
デュタステリドは、クリニックで診察を受け、処方してもらいましょう。
AGAは薄毛で治療できる時代になりました。
ご自身の状況に合った治療を行うためにも、自己判断せず、信頼できるクリニックで適切な治療を受けるようにしましょう。
まとめ
デュタステリド服用における効果や注意点について解説してきました。
デュタステリドは、 AGA(男性型脱毛症)の治療に効果的な有用成分です。しかし副作用もあるため、きちんと理解したうえで服用しましょう。
薄毛の治療薬が何が良いかは自分では判別できないため、まずは医療機関を受診し、診察してもらいましょう。
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