「最近髪が薄くなってきた……」「市販薬を使ったけど効かない……」「AGAの薬ってどうなの?副作用は?」薄毛に悩む方は、このような悩みをかかえていませんか?
近年、若い世代でも薄毛に悩む方が増えるとともに、男性型脱毛症AGAの原因や治療法の解明が進んできています。できるだけ早く薄毛を食い止めたいと思う一方、薬は本当に効果があるのか、副作用は出ないかと不安な方も多いでしょう。
この記事では、デュタステリドの治療効果や副作用、服用時の注意点について解説します。AGAに行うべき治療として日本皮膚科学会が推奨する薬の1つで、飲み方を守って服用をつづけると、薄毛の進行を抑え、長期的に発毛・育毛効果を期待できるでしょう。
AGAクリニックの受診を迷っている方や、デュタステリドの効果や使用感がわからない方は、ぜひ参考にしてください。
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自由診療治療につきましては健康保険などの公的医療保険が全く使えないため、治療費が高くなります。
また一部の自由診療については医療費控除の対象となる診療もございますがAGA治療においては容姿を美化し、容ぼうを変えるなどの目的要素が強いため医療費控除の対象外になります。

青山メディカルクリニック
院長 松澤 宗範
URL:https://amclinic.tokyo/
■診療科:再生医療、形成外科、美容外科、美容皮膚科
■経歴
2014年 近畿大学医学部 卒業
2014年 慶應義塾大学病院初期研修
2016年 慶應義塾大学病院形成外科入局
2016年 佐野厚生総合病院形成外科
2017年 横浜市立市民病院形成外科
2018年 埼玉医科総合医療センター形成外科・美容外科
2019年 銀座美容外科クリニック 新宿院院長
2020年 青山メディカルクリニック院長
■資格・所属学会
・国際抗老化再生医療学会
・日本抗加齢医学会
・日本形成外科学会
・日本性機能学会
・日本アンチエイジング外科学会
・日本細胞外小胞学会
・日本がん免疫学会
・日本免疫治療学会
・日本NKT細胞標的治療研究会
・点滴療法研究会
・遅延型フードアレルギーと過敏症研究会
・日本コロイドヨード研究会
・日本医学脱毛学会
デュタステリドはAGA治療薬の1つ
AGAに効果的な治療薬の1つであるデュタステリドは、日本皮膚科学会の「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」にて、推奨度Aに分類されています。推奨度Aとは、研究データをもとに「治療薬として使用することを強く勧める」と評価されたランクです。このような観点から、デュタステリドは、AGAに効果的な治療薬として信頼度の高い薬といえるでしょう。
デュタステリドが入った治療薬は、製品名「ザガーロ」という製品名で2016年から販売されています。国内では、2005年から販売されているフィナステリド(製品名プロペシア)についで開発された、比較的新しい薬です。
現在では、ザガーロと同じ効果を期待できる、薬の成分名と同じ名前のジェネリック医薬品「デュタステリド」も複数のメーカーから発売されています。ジェネリック医薬品は、先発医薬品に比べて安価なため、クリニックで取り扱っているか聞いてみるとよいでしょう。
デュタステリドはフィナステリドと同じく、5αリダクターゼの働きを抑えてAGAに効果を発揮する薬です。
5αリダクターゼは、男性ホルモンのテストステロンを、AGAの原因とされるジヒドロテストステロン(DHT)に変化させます。DHTが毛根を刺激すると、髪の毛が長く太く成長する前に抜けてしまうと考えられています。デュタステリドが5αリダクターゼの働きを抑え頭皮でDHTが減少すると、早期脱毛を予防でき、発毛・育毛効果を期待できるのです。
働き方の違い:デュタステリドとフィナステリド
デュタステリドとフィナステリドが働くときの大きな違いは、5αリダクターゼへの働き方です。
5αリダクターゼには、Ⅰ型・Ⅱ型の2タイプがあります。フィナステリドが抑制するのは、前頭部から頭頂部にある毛包で働くⅡ型5αリダクターゼです。一方、デュタステリドはⅡ型だけでなく、皮脂腺で働いて薄毛を進行させるⅠ型5αリダクターゼの働きを抑制するため、理論上、さらなるDHT抑制効果を期待できます。
両剤の治療効果に差があるかどうかは解明されていませんが、研究データによっては、フィナステリドに比べてデュタステリドの方が発毛・育毛に有用との報告もあります。そのため、AGAの進行度や服用する方の希望に合わせて、フィナステリドとデュタステリドを使い分けるクリニックもあるでしょう。とはいえ、体質や治療にかける予算によって適した薬は異なります。医師と相談しながら薬を選んでください。
デュタステリドの使用方法と効果
デュタステリドは、1日1回の服用を通常6ヵ月間つづけることで効果を期待できる薬です。
服用のタイミングは、決まった時間であれば1日のうちいつ服用しても構いません。「朝起きてすぐ」や「寝る前」など、飲みやすいタイミングを決めておくと、飲み忘れを防ぎやすいでしょう。もし飲み忘れたときは、1度に2回分を服用せず、気づいたときに1回分を飲んでください。
早い方では飲み始めて3ヵ月くらいで効果が出ますが、効果があると判断できるまで6ヵ月ほどの期間を要します。短期間で効果を感じられないからとの理由で、早期に服用をやめてしまわないよう注意してくださいね。AGAはゆっくり進行し続ける疾患です。6ヵ月服用してデュタステリドが効いている場合は、その後も続けて飲むことで、髪のボリューム増加を長くに渡って期待できるでしょう。
また、デュタステリドだけで十分に効果が出ないときは、ミノキシジル外用薬など別の働きをもつAGA治療薬を併用すると、効果を期待できる可能性があります。医師と方針を相談しながら、納得いくよう治療を進めてください。
知っておこう!デュタステリドの副作用
薬を服用するときに心配なのは副作用ですよね。どんな薬にも副作用があるように、デュタステリドにも副作用があります。ここでは、起こり得る副作用を5つお伝えします。
- 過敏症
- 肝機能障害
- 男性機能低下・リビドー減退
- 乳房障害
- 気分や意欲の低下などのうつ症状
万が一、上記の症状が出た際は、無理に服用を続けず医師に相談しましょう。
過敏症
ごく稀に、過敏症が起こるケースがあります。過敏症とは、体のアレルギー反応です。服用後に、蕁麻疹・痒み・皮膚の腫れなどの症状が出たら、速やかに受診してください。
デュタステリドと同じ系統の作用をもつフィナステリドで過敏症を起こした経験のある方は、デュタステリドでも同様の副作用が起こる危険があるため服用できません。診察時に必ず医師に申告しましょう。
肝機能障害
デュタステリドは主に肝臓で代謝されるため、肝機能障害が起こる可能性があります。ザガーロの臨床試験では肝機能障害の出た方はいませんでしたが、肝臓で代謝される薬全般で起こり得る副作用です。万が一、疲労感・吐き気・食欲不振などを自覚した場合は、医師に相談してください。
肝機能障害が起きているかどうかは、AST・ALT・ビリルビン値をもとにチェックできます。定期的に血液検査を受けるとよいでしょう。
このような副作用が確認されているため、重度の肝機能障害をお持ちの方は、デュタステリドを服用できません。肝臓に疾患がある方は、診察時に伝えるようにしましょう。
男性機能低下・リビドー減退
子供を希望される方にとっては不安な副作用の1つである、男性機能の低下。臨床試験では、リビドー減退・勃起不全・射精障害などが、約1〜10%の方にみられました。
男性機能が低下すると、パートナーの妊娠に時間がかかる可能性があります。万が一副作用が出たらいったん服用を止めるか、妊娠が分かってから服用し始めるかなど、医師と相談して治療方針を決めてください。パートナーのいる方は、薬について理解しあう機会を設けると良いでしょう。
乳房障害
臨床試験では1%未満の方、具体的には100例以上のうちそれぞれ1例に、
女性化乳房・乳頭痛・乳房痛・乳房不快感などがみられました。デュタステリドによって男性ホルモンバランスが乱れるのが原因と考えられます。頻度は稀ですが、異常を感じたときは医師に相談してください。
気分や意欲の低下などのうつ症状
臨床試験では1%未満の方にうつ症状がみられています。男性ホルモンは勝気やチャレンジ精神にも関わっているため、バランスが乱れると、やる気が出なかったり気分が低下したりする可能性があります。頻度は稀ですが、うつのような症状を感じたときは医師に相談してください。
デュタステリドを服用する際の5つの注意点
副作用のリスクを小さくしつつ服用するために、いくつか注意点があります。まずは用法用量を守って、継続して服用することが大切です。その他、主な注意点を5つお伝えします。
- 初期脱毛が起こる可能性
- 肝機能障害を持つ方は医師に確認
- 前立腺がんの検査に影響あり
- AGA以外の脱毛に効果なし
- 服用中は献血禁止
以下、順番に解説していきます。
初期脱毛が起こる可能性
デュタステリドを服用し始めると、抜け毛が一時的に増える“初期脱毛”が起こる場合があります。デュタステリドが毛根に働きかけて、もともと生えていた細く短い毛が抜ける現象が初期脱毛です。ヘアサイクルが正常に戻っていくプロセスであり、デュタステリドが機能している証でもあるため、過度に心配する必要はありません。個人差はありますが、多くの場合1〜2ヵ月程度で治まることを知っておきましょう。
とはいえ、初期脱毛が原因で途中で治療を止めてしまうケースも少なくありません。薬を飲み始めて不安になった方や、初期脱毛が長引く方は、医師に相談してください。
肝機能障害を持つ方は医師に確認
デュタステリドは、主に肝臓で代謝されます。肝臓の代謝機能が低いと血中濃度が上がり、副作用が起こる可能性が高くなったり、症状が治まるまで時間がかかったりすることがあります。そのため、重度の肝機能障害がある方は、服用できません。軽度の方も、他の薬と同じように、事前に医師に相談しましょう。
前立腺がんの検査に影響あり
前立腺がんの診断としてPSA(血清前立腺特異抗原)検査を受ける方は、デュタステリドを服用していることを検査医師に事前に伝えてください。
デュタステリド服用中はPSA値が下がるため、前立腺がんを正しく診断できないからです。6ヵ月以上服用している方は、検査値が半減します。命に係わる疾患の検査であるため、正しく評価できるよう必ず申告してください。
AGA以外の脱毛に効果なし
デュタステリドは、男性ホルモンに働きかけるAGAの治療薬です。女性型脱毛症や円形脱毛症など男性ホルモンを原因としない脱毛症には効果がありません。AGA以外の脱毛症の方は、原因に合う治療薬を処方してもらいましょう。
デュタステリドを服用するには、AGAの診断を正しく受ける必要があります。AGA専門クリニックを受診すると診断が滞りなく進むでしょう。多くのAGAクリニックのHPには、AGAのセルフチェック項目が公開されています。自分がAGAか迷う場合は、受診前にセルフチェックしてみるのもお勧めです。
服用中は献血禁止
デュタステリド服用中は献血できません。デュタステリドを含む血液を、他の方へ輸血してしまうのを避けるためです。
献血するには、服用を止めて最低6ヵ月空ける必要があります。デュタステリドの血中濃度が半分に減る半減期は約3~5週間と長く、血液から消失するのに6ヵ月程度かかります。献血するときは、薬の説明書やおくすり手帳を持参すると良いでしょう。
デュタステリドの服用は必ず医療機関で処方
必ず医療機関で処方してもらいましょう。日本で承認を受けているデュタステリドは、医師の処方をもとに医療機関でのみ購入できます。
海外製のデュタステリドを、インターネットで安く入手できる場合もありますが、非常に危険です。インターネット上で出回っている海外製のデュタステリドは、品質面や効果面、安全面について日本で確かめていません。そのため、パッケージは正規品のように見えても、中身の薬は期待した効果が得られなかったり有害物質が含まれていたりする可能性も考えられます。
また、個人輸入した医薬品で健康被害が出たとしても、公的の救済制度を受けられません。偽造医薬品の詳しい情報は、医師にも分からないため、副作用への対応が困難になる恐れもあるでしょう。
医療機関では、正規のデュタステリドを処方してもらえるだけでなく、定期的に頭皮をみながら服用期間やほかの薬との併用も提案してくれます。さらに副作用が起きても相談できる点もメリットの1つです。デュタステリドは自己判断で購入・服用はせず、必ず医療機関で処方してもらいましょう。
まとめ
デュタステリドの治療効果やフィナステリドとの違い、副作用や注意点を詳しく紹介しました。
デュタステリドの服用で大切なのは、1日1回の服用を長期間続けることです。効果を感じるまでには、3ヵ月〜6ヵ月くらいかかります。まずは半年を目標に、定期的に受診しながら根気強く飲み続けてください。
臨床試験の結果によると、薄毛の進行を遅らせるのみならず、発毛・育毛効果も期待できるでしょう。
また、起こり得る副作用にも注意しましょう。
それぞれの発生頻度は低いものの、事前に知っておくと万が一のときも慌てず対応できます。デュタステリドの服用を検討している方は、信頼できるクリニックで治療方針や不安なことを相談しながら、薄毛の悩みを打開しましょう。