【医師監修】ミノキシジルの効果や副作用は？内服薬と外服薬の違いや5つの注意点を解説

この記事では、AGAの症状を改善できる薬の一つ、ミノキシジルについて効果や副作用、服用の注意点についても解説します。薄毛や抜け毛に悩んでいる方は、ミノキシジルの正しい知識を身につけて、AGA治療に臨みましょう。

この記事の監修者

青山メディカルクリニック
院長　松澤 宗範
URL:https://amclinic.tokyo/

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■診療科：形成外科、美容外科、美容皮膚科

■経歴
2014年　近畿大学医学部　卒業
2014年　慶應義塾大学病院初期研修
2016年　慶應義塾大学病院形成外科入局
2016年　佐野厚生総合病院形成外科
2017年　横浜市立市民病院形成外科
2018年　埼玉医科総合医療センター形成外科・美容外科
2019年　銀座美容外科クリニック　新宿院院長
2020年　青山メディカルクリニック院長

■資格・所属学会
・国際抗老化再生医療学会
・日本抗加齢医学会
・日本形成外科学会
・日本性機能学会
・日本アンチエイジング外科学会
・日本細胞外小胞学会​
・日本がん免疫学会
・日本免疫治療学会
・日本NKT細胞標的治療研究会​
・点滴療法研究会
・遅延型フードアレルギーと過敏症研究会
・日本コロイドヨード研究会
・日本医学脱毛学会

ミノキシジルとは？

ミノキシジルは、薄毛や抜け毛などAGAの治療に使用される医薬品です。ミノキシジルの効果について説明していきます。

ミノキシジルの効果

1番の効果は「発毛の促進」にあります。ミノキシジルに期待できるのは、血管を拡張して血流を増加させる働きです。血の巡りを良くし、毛根に必要な栄養を届け、髪の成長を促します。

また、ミノキシジルは毛乳頭細胞のDNA合成をサポートすることで、毛根の細胞を活性化できます。そのため、抜け毛や薄毛の改善だけでなく、新しい髪の毛の発生を促進する効果が期待できるのです。

効果を実感するまでの期間

ミノキシジルは、発毛効果を感じられるまでの期間に個人差があります。
一般的には、ミノキシジルの使用を始めて、6ヶ月から長くても1年程度で効果が現れるといわれています。注意点は、効果が出たからとすぐ使用を中止しないことです。ミノキシジルの使用を中断してしまうと、発毛促進の効果が薄れ、改善した状態が戻る可能性があります。

なかなか効果を感じなくても、外用薬・内服薬どちらも、6ヶ月ほど使用するのが推奨されているため、気長に継続することが大切です。

ミノキシジルには「内服薬」と「外用薬」がある

ミノキシジルには、「内服薬」と「外用薬」の2つの形態があります。それぞれの形態の特徴やメリット・デメリットを次の項目から詳しく解説いたします。

内服薬：ミノキシジルタブレット

ミノキシジルの内服薬は、薬局での購入は不可能です。AGA専門クリニックや、美容クリニックにて処方しています。ミノキシジルの内服薬は、1日1回1錠を水またはぬるま湯で服用します。効果を出しやすくするポイントとして、成分の血中濃度を一定に保つ必要があります。そのため、なるべく毎日決まった時間に服用するのが推奨されています。

内服薬のメリットは体内に吸収されやすいため外用薬と比べて効果が出やすい点です。飲めばOKなので、治療にかける時間や手間も少なくすみます。一方で、デメリットとして外用薬と比べ価格が高い点があげられます。また、手軽さゆえに飲み忘れてしまうケースもあるため、継続して飲み続けるには工夫する必要があります。

外用薬：ミノキシジルローション

ミノキシジルの外用薬はローションやジェルなどの形で販売しています。クリニックでの処方だけでなく、薬局で手軽に購入できるのが特徴です。

ミノキシジル外用薬の使用方法は、洗髪後の頭皮の気になる部分に塗布し、頭皮の血行を促すよう指の腹でマッサージします。多くは1日1回の仕様ですが、1日2回塗布する仕様の製品もあるため、購入の際にはよく確認しましょう。

外用薬のメリットは、内服薬に比べて入手しやすく、安価に設定されている点です。そのため、AGA治療をまずは少し試してみたいという方におすすめです。デメリットは、内服薬に比べ効果が出にくく、毎日頭皮に塗りながらマッサージをするため、治療にかける時間や手間が多くなる点といえるでしょう。

知っておこう！ミノキシジルの副作用

ミノキシジルは、発毛効果が高いことからAGA治療薬として非常に人気ですが、副作用にも気をつけたいところです。ミノキシジルには、大きく分けて下記の5つの副作用のリスクがあります。

それぞれの副作用について、次の項目から詳しく解説します。

初期脱毛

ミノキシジルを使用した際の1つ目の副作用は初期脱毛です。これは内服薬、外用薬どちらでも起こりうる可能性があります。

初期脱毛は、薬の使用開始からおおよそ10日〜2週間ほどで発症し、一時的に毛が多く抜けてしまう症状です。

しかし、これはミノキシジルが正常なヘアサイクルへと働きかけることで起きる現象のため、過度な心配は必要ありません。初期脱毛の期間は、個人差はあるものの1〜2ヶ月ほど続き落ち着いてきます。

注意したいのは、AGA治療を始めたばかりの方が、この初期脱毛にショックを受けて治療を中断してしまうケースです。正常なヘアサイクルへと整うまで続けることが大切なため、自己判断で中止しないよう気を付けましょう。

心機能障害

ミノキシジルを使用した際の2つ目の副作用は、心機能障害です。特に、内服薬を使用した際に起こる可能性がある副作用です。

薬の服用により、心拍が上昇するなど心機能障害を引き起こすケースがあります。特に、心臓疾患を持つ方や血圧が不安定な方がなりやすい傾向にあるため、当てはまる方は外用薬での治療から始めるのがおすすめです。

特定の疾患のない健康な方でも、副作用として息切れや動悸を起こす可能性が稀にあるため、異変を感じたらすぐに医師に相談しましょう。

頭痛やめまい

ミノキシジルを使用した際の3つ目の副作用は、頭痛やめまいです。こちらも、内服薬を使用した際に起こりやすい副作用といえます。

ミノキシジルには、血管を拡張し発毛を促す働きがあります。その際に、毛細血管が拡張され、頭痛を引き起こす可能性があるのです。また、血管が拡張されることで、血圧が下がり、人によってはめまいが引き起こされる可能性もあります。頭痛やめまいといった症状がでた際には、すぐに医師に相談することが重要です。

多毛症

ミノキシジルを使用した際の4つ目の副作用は、多毛症です。こちらも内服薬を使用した際に起こりやすい副作用です。

多毛症とは、その名の通り毛が増えてしまう副作用です。ミノキシジルは、発毛効果が高く、髪の毛以外にも影響を与えるケースが考えられます。特に、上半身に影響が出やすく、ヒゲや体毛が濃くなるなど、髪の毛以外の毛が生える可能性があります。

皮膚のかゆみやかぶれ

ミノキシジルを使用した際の5つ目の副作用は、皮膚のかゆみやかぶれです。こちらは外用薬を使用した際に起こりやすい副作用です。

外用薬のミノキシジルにも内服薬と同じく血管拡張の働きがあります。塗布した部位の血流がよくなりすぎると、赤みやかゆみ、かぶれがでてしまう可能性があります。

そのほか、外用薬に含まれる溶剤に対してアレルギー反応がでてしまう方もいるので、万が一副作用がでた際は、医師の診察を受けましょう。

ミノキシジルを服用するときの５つの注意点

ミノキシジルを低リスクで服用するためにも、覚えておきたい注意点が5つあります。それぞれの注意点について詳しく解説します。

用法・用量を守る

ミノキシジルは外用薬と内服薬ともに医師からの指示、用法・用量を守ることが不可欠です。特に内服薬は医療用に処方されるため、自己判断での用量調整は危険です。

ミノキシジルは、用量が多すぎると効果が上がるわけではなく、過剰な使用は副作用のリスクを高めます。

内服薬の場合、個々の体調や体質により適切な用量は異なります。必ず医師の指示に従って使用してください。

高血圧の方は注意

高血圧治療中の方は、担当医師としっかりと相談してから治療開始したいものです。
ミノキシジルには、血管拡張の働きがあり、海外では降圧剤として使われている場合もあります。高血圧治療に使う薬と同じような働きがあるため、治療中の薬と併用できるのか、また適切な摂取量についてきちんと把握することが大切です。AGA専門医だけでなく、かかりつけの医師とも相談してからAGA治療を始めるよう気をつけてくださいね。

効果が出ない場合がある

推奨されている期間通りに使用を続けたとしても、効果が出ていないと感じるならば、2つの原因が考えられます。

1つ目は、AGAによる症状ではない場合です。男性に起こる脱毛症は、主に「男性型脱毛症(AGA)」「脂漏性脱毛症」「円形脱毛症」の3つの脱毛症に分けられます。ミノキシジルは「脂漏性脱毛症」や「円形脱毛症」には効果が認められていません。脱毛の原因がAGAではない場合、ミノキシジルを使用しても効果は表れないかもしれません。

2つ目の原因は、AGAによる脱毛ではあるものの、進行速度が早い場合です。AGAの症状の進行速度がミノキシジルの発毛効果を上回ってしまっていると、効果が出ていても感じづらいかもしれません。

AGAの進行速度が早い場合は、ミノキシジルのみではなく、プロペシアやザガーロなど、ほかのAGA治療薬と併用すると治療がより効果的になる場合もあります。

内服薬の推奨度が低い

ミノキシジルには、内服薬と外用薬の2種類があります。日本皮膚科学会のガイドラインによると、ミノキシジルの外用薬は、男女ともに推奨度A（治療に使用するのを強く進める）となりますが、内服薬は推奨度が男女ともにD（治療に使用すべきではない）となっています。

ミノキシジルは、外用薬としての研究が多くされているため、効果面や安全面について十分に研究されています。しかし、内服薬としての研究、特に効果面や安全面についての研究は多くなく、認可も降りていません。そのため、内服した際のリスクが少ないと断定できず、日本では推奨度がDとなっています。

参考：日本皮膚科学会「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン」

海外のサイトや並行輸入品で購入しない

ミノキシジルの内服薬は、市販薬としては販売されていないため、AGA専門のクリニックなどで処方してもらう必要があります。

海外のサイトや個人サイトなどで、ミノキシジルが含まれている内服薬が販売されているケースもありますが、どのような品質か不透明で、安全性の面からも購入の推奨はできません。

どうしても内服薬が欲しい場合は、必ず医師の診断を受け、処方されたものを服用しましょう。

治療に関する相談は医療機関へ

ミノキシジルを使用したAGA治療を検討するなら、まずは医療機関に相談しましょう。
近年は、薬局などでもミノキシジルの含まれている外用薬の取り扱いが増えており、気軽に購入できるようになりました。

しかし、万が一副作用が出た場合に対応してもらうためにも外用薬・内服薬を問わず、使用する際には医療機関に相談し、処方してもらった薬を使用するのがよいでしょう。

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AGAを効果的に治療するには、自分に合ったクリニックを選択することが大切です。しかし、AGAクリニックは数多く

www.pikapaka.tokyo

まとめ

今回の記事では、ミノキシジルの種類や副作用、注意点について紹介しました。
ミノキシジルには内服薬と外用薬があり、日本では治療に使用する推奨度が高いのは外服薬となっています。どちらにも下記のような副作用があるため、事前に医師と相談することが大切です。

上記の副作用や注意点に留意して使用すれば、ミノキシジルはAGA治療に有用といえます。少しでも薄毛や抜け毛に悩んでいるなら、まずは外用薬から試してみるのもおすすめです。気になる方は一度、医療機関でミノキシジルを使ったAGA治療について相談するとよいですね。

ミノキシジルで薄毛や抜け毛を打開できれば、自信を無くしたりストレスに感じたりする悩みから解放され、明るく前向きな気持ちで生活できるでしょう。